まる末舞台 月side

初めてブログというものを書きます。RIDE ON TIMEを見て我慢の限界がきてしまった。

ちなみに当方ゴリゴリの横尾担。元々アニヲタで、成人済みですが中二病抜け切れてないのでそういう感じの語り口なんだろうなって思っててください(?)

ですます調とだである調も入り混じって書きたいように書いてるので、読みづらいかも知れませんがその辺はごめんなさい。

 

※月sideがっつりネタバレしてます。物語の核心部分にも言及しています。

 

 

 

 

ROTを見て

まず舞台セットは語彙力がなくて解説し切れないので、RIDE ON TIME(リンク飛びます)を見てください。というかこれを見て思ったことをメインに感想を書いていきます。

 

自担、横尾渉さんの役は、盲目のカメラマン。「目の不自由な方へ音の出る信号機を」というコンセプトで行われている、ラジオ・チャリティ・ミュージックソンのメインパーソナリティを2年連続でグループで務め、「わったー写真館」という自身の有料ブログで毎日写真を投稿している彼。ぴったりな役なんじゃないかと思った。

盲目でありながら、劇中でも写真を撮る場面がある。

 

ちなみに、この被写体モデルのアイラちゃん(役名)という女の子がめちゃくちゃ可愛い。役では女子大生だが本当は現役JK。横尾さんと並ぶと横ももみたいで可愛い。(横ももはこちら)

脱線しましたね。横ももが好きなんです。はい。

 

劇中で彼は、被写体に声を出してもらって位置を把握し、カメラを首にかけたまま胸元でシャッターを切る。「盲目の役だからな」と私はその動作を全く気に留めていなかったのだが、2/21放送のROTを見てハッとした。

横尾さんは監督に、「シャッターを切るときカメラを構えるか、構えず首にかけたままにするか」という旨の相談をしていた。

そうだった、横尾さんの演じる笑原敏幸(29)は13歳までは目が見えていたし、当時は普通にファインダーを覗いて写真を撮っていたのだ。それに、盲目だからと言ってカメラを構えないとは限らない。横尾さんは、自分でも盲目のカメラマンについて調べながら、模索して「構えずに胸元でシャッターを切る」という結論に達したのだ。

私のように、先入観で行動を決めつけてはいなかった。こんな何気無い、といったら違うのかも知れないけれど、たったひとつの動作にも気を遣って悩んで悩み抜いた末にあのカメラの使い方をしたのだ。そんな彼の仕事への向き合い方が好きだ。大好きだ。勉強家で、努力家で、その面はこういうドキュメンタリーでしか見せることがない彼のことが好きだ。

その後も、椅子で躓いたり、階段を踏み違えたり、白杖なしで外に飛び出して盛大に足を引っ掛けてすっ飛んだり。あれは、目が見えている状態でやるのは勇気がいるなと思った。"横尾渉"は見えてるのに躓かなきゃいけない。"笑原敏幸"は見えないから、足を引っかけた先を見るのは不自然。だから目線は明後日の方向を向いたまま。見えてる状態でこれをやるのは怖いし、相当な演技力が必要なんじゃないかと思った。滑舌云々は抜きにして、彼の細かい部分の演技力には脱帽せざるを得ない。

 

そんな笑原敏幸の弟の笑原陽左志役を演じる千賀くん。ROTで主に取り上げられていた、「僕は幸せになっちゃいけない」という台詞。劇中でこの台詞が出てくるタイミングでは、観客もまだ何故こんな闇を抱えているのかは知らない。

1階のラーメン屋での飲み会で、「ひさしくん彼女いないんでしょ?作りなよ〜!」みたいに言われた流れで、あの台詞がくる(はず)。飲み会の楽しい雰囲気を微かにまといつつ、少し投げやりな感じも、苦しそうな感じも出しつつ、2、3度「幸せになっちゃいけない」と呟く。私も苦しくて仕方なかった。「幸せになっちゃいけないんですよ!!」と怒鳴ったりするのではなく、少し微笑んでいるひさしくんが、切なくて仕方なかった。なんでこんな事を言うのだろう。

 

一度この場面は置いておいて、とある場面の話を。1階のラーメン屋の店主の一人娘である海月(みつき)ちゃん。敏幸は、彼女に恋していた。このことを、彼は弟のひさしに打ち明けていた。「おれ海月が好きなんだ。想いを伝えたらうまくいくかなあ?」と。ひさしは少し戸惑ったあと、絞り出すように「うまくいくよ」と答えていた。この時は、「あ、きっとひさしくんも海月ちゃんのこと好きなんだろうな...」としか思わなかった。

てかこのとき窓辺に座って外を眺めてひさしが「いい天気だね」、敏幸「いい天気なんだろうね、いい匂い(?)がする」ってやりとりをしてたんだがこの座ってる横尾さん死ぬほどかっこいい。

 

その後、敏幸は海月に告白するが振られてしまう。そしてそれをひさしは盗み聞きしてしまう。このとき、ひさしは「まじで!?俺ワンチャンあるかも!?」みたいな顔は一切しなかった。ひさしも戸惑ったような顔をしていた。

この後も、ひさしが海月に告白する事はなかった。何でだ?少女漫画とかだったら、「あいつの事好きじゃないんだろ、だったら俺で良いじゃん」みたいなこと言いそうなシチュエーションなのに。少女漫画読んだことないから知らんけど。

この後、すべての謎が解けることになる。

 

敏幸の目が見えなくなったのは、廃墟からの転落事故が原因。転落した際に目をぶつけてしまったのだ。海外の最新医療でなら治せるかも知れないが、コネと金がなければその手術を受ける事は叶わなかった。そして、この事故はひさしによって引き起こされたものだった。ひさしが、敏幸の背中を押して突き落としてしまったのだった。

 

そうか、だから「幸せになっちゃいけない」と言ったのか。だから献身的に兄を支え続けた。

幸せになる資格がないと思っていたから、海月に告白する気は元々なかったのかも知れない。兄が振られたときのあの反応は、「海月が敏幸のことを好きでいてくれたら、二人が付き合ってくれたら俺は海月のことを諦められたのに」という想いの現れだったのかも知れない。

実らせる気のない恋を諦めきれないのはどれだけ苦しいか。兄が振られたことで、少し期待してしまう自分もいただろう。その状況に喜べないのが、どれほどしんどいか。

そして更につらいのが、海月は本当は敏幸のことが好きだった、という事実を知ったとき。この気持ちは海月が直接敏幸に打ち明けた。その場にひさしはいなかったからきっと彼は知らないのだろうけど、見てるこっちとしてはしんどすぎて仕方なかったよ。どんだけひさし報われないのよ。敏幸も振られて死にそうな顔してたんだからね......。

 

役者魂

横千それぞれのROTを受けての感想は以上として、次は二人が絡むシーンについて。

 

ひとつ目は、回想シーンの大喧嘩。ひさしが敏幸を突き落とすきっかけとなった喧嘩だ。

写真の腕がどうのみたいな感じだったのだが、セリフはほぼ覚えてない。本当に恐怖を感じるほどの大喧嘩だった。胸ぐら掴み合って揉み合って、敏幸に突き飛ばされて仰向けに倒れるひさし。敏幸は「ふざけんじゃねえ!」的な事を最後に言うのだが、

大声の罵声3連発の横尾さん怖すぎ。

まじで怖いあんな怒鳴られたら怯むしかない。ひさしは地面に倒れたまま、「くそっ!!!」と地面を殴る。恨みを込めた叩き方だった。殺伐としてた。

 

ふたつ目は、二人の役者魂(?)を見せつけられた、ひさしが敏幸に、事故の日に押したのは自分だと打ち明けるシーン。

このとき、千賀くんは本当に涙をボロボロ流して首とか真っ赤にしながら兄に土下座をした。

敏幸は、怒りをあらわにした。どこにもぶつけようのない怒りを、カーディガンを震えるほどに握りしめ、鎮めた。なんとも言えない悲しさと怒りと戸惑いが混ざったような表情をしていたが、ふっと力を抜いて、微笑みながらひさしに向かった。

ひさしに触れようとするが、多分お辞儀状態(言い方)だと思っていたのか伸ばした手は高く空を切る。徐々に手の位置を下げていって、ようやくひさしに触れる。「頭上げろよ」と、ひさしの腕を掴んで持ち上げる。真っ直ぐ立たせて

「16年間、ずっと苦しい思いしてたんだな」

とひさしを抱きしめた。

なにがしんどいって、横尾さんの目にも涙が浮かんでいたのだ。その涙が頬を伝うことはなかったけれど、彼の目には今にも溢れそうなほど涙が溜まっていた。

この直前に、彼は目の手術をするためのコネを手にしていた。もしこの話がなかったら?もしかしたら、敏幸はひさしを許さなかったかも知れない。後々許すことになったとしても、こんな風に抱きしめることは出来なかったかも知れない。

 

最終的に、敏幸は目が見えるようになってひさしは海月と結ばれて、他のみんなもオールハッピー☆という感じでホッとした。苦手なハッピーエンドのタイプではなく、因果応報というか、納得の行く終わり方だった。

 

 

海と月について

この作品は、たったひとつの選択で人生は変わる、ということを平易に表している。伏線もすべて回収し切って終わるので、観終わったときはなんのモヤモヤもなくスッキリしていた。

しかし、家に帰ってからふと疑問に思った。

何故"海"と"月"だったのか。

スケジュールに書き示す際に名前が付いていた方が分かりやすいから?いやだとしたら綺麗すぎる名前ではないか?意味深すぎないだろうか?

と思い、月しか見てないので月の考察しか出来ませんが自分なりに考えてみました。

 

周知の通り、月は自ら輝くことはない。

日が当たらない間は陰ってしまう様を盲目、日が当たって輝く様を目が見えるようになったことを表しているのか?

ひさしくんが罪悪感で病んでいたが、兄に許されたことでようやく明るくなれた様を月に例えているのか?

それとも、夜の闇(兄の盲目、弟の罪悪感、アイラの失明)を月が照らす(目が見えるようになる、兄に許される、敏幸が目となって支える)様を表しているのか。

それなら太陽でもいいじゃん、と思ったが、太陽はずっと明るく、暖かく輝いているんだ。月の満ち欠けや、冷たさが大事だったのではないか。

 

ならば海は?レポを読んだわけでも観劇したわけでもないからどんな結末かは知らないので完全なる想像だが、海は父に会ってアイラと出会わない世界。つまり、敏幸の目が治る事はないのだと思う。では、ひさしは?目が治ることがないのなら、犯人が落とした帽子を持っている兄がその帽子を見る事は一生ない。黙っていれば絶対に自分が犯人だとバレる事はない。しかしそれではひさしの闇が晴れる事はないのではないか?月がこんなハッピーエンドなのに海でそんな闇抱えたまま終わるか??

海のイメージといえば、広い、青い、冷たい、満ち引きなどだろうか。すべてを飲み込んでしまう怖さもある。プラスに考えれば、すべてを"受け入れる"。

兄は弟を"受け入れた"?許すと受け入れるは少し違うもののように思える。父と出会って明かされる真実が、海から連想されるようなものなのか?

 

...なぜ見てもいない公演の考察などしているのかと言うと。

とあるご縁があって、海sideにも足を運ぶことができることとなった。父に会いに行った彼らの末路とは....。

 

正直別サイドの公演をここまで見たくなるとは思っていなかった。素晴らしい作り方だな、監督の掌の上で踊らされているような笑

 

長ったらしくて読みづらいものをここまで読んでくださってありがとうございました。横尾さんの役との向き合い方、千賀くんの苦しそうな演技の理由、何故月という名前だったのか、が書きたかっただけなのにこの文字数。精進いたします。面白くて読みやすい文章を書きたいな。